- この記事からわかること
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- ドライアイを放置すると視力が低下する
- 直接的に失明にはならないがきっかけになる
- とりあえず目薬を差しても意味は無い
ドライアイを放置しておくとどうなる?
視力が低下する
ドライアイと分かっていながら眼科にも行かず目薬も差さないで長期間過ごしていると視力の低下に繋がります。
ドライアイだと涙の分泌が少なくて目がかすむことがありますよね。目がかすむのは深刻な状態です。
- かすみは危険
- 目は角膜と水晶体で光を屈折して物を映し出していますが、涙が十分でないと屈折にばらつきが出て目がかすむのです。
これは、本当は視力が良いのに「見え方」に影響が出る場合もあります。涙が不安定だと目が正常でも見えづらくなるのですね。

涙が原因なので視機能低下とも言います
コンタクトが張り付く
ドライアイの人が目の乾燥をそのままにしすぎてコンタクトが眼球に張り付くことがあります。
外気の影響と涙の量の少なさ、コンタクトレンズの長時間装着、まばたきの減少などが原因です。
レンズが目に張り付くことで角膜の傷を刺激して視力低下に繋がってしまいます。
眼病になる
ドライアイだと外部からのゴミやほこりもガードできずに、角膜は傷つけられて細菌の繁殖や角膜感染症を引き起こすでしょう。
特に「角膜上皮剥離」は深刻です。
- 角膜上皮剥離とは
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角膜は黒目のことで、目の外側を形成している膜です。角膜上皮から始まり全部で6層で、水晶体と同じようにレンズの役目をしています。
その上皮部分が剥がれてしまう眼病で、次第に視力低下が起こり、目を開けられないほどの激しい痛みを伴うのです。
ドライアイにより目の保護ができないことで起こる角膜上皮剥離は、一度起きると繰り返すことが多いので注意が必要ですね。
さらに感染症などを伴ってしまうと炎症や充血、目のかすみが悪化して光の取り込みがうまく行われずに視力低下に繋がります。
直接的に失明にはならない
ドライアイが原因で失明することはほぼありませんが、ドライアイを放置したことで傷ついた角膜から感染症になり失明する可能性はあります。

放置して悪化すると重大な事態になるということです
角膜上皮剥離が起きて角膜の内部に細菌が入りやすい状態のまま過ごしていると、汚れた環境であればすぐに細菌に感染するでしょう。
目の充血や痛み、黒目部分が白くなるなどの症状が起きることも。
- 角膜潰瘍
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角膜上皮からさらに奥に細菌が侵入すると角膜潰瘍が起こり、角膜の組織が目の表面から欠けていきます。
その奥の組織が薄くなったり濁ったりして治療をしても視力低下が残ることもあるのです。
状態が最悪だと角膜に孔が開いてしまい失明の原因にもなってしまいます。
角膜潰瘍までは至らない場合でも角膜の傷から細菌が入る細菌性角膜炎になることもあります。
- 細菌性角膜炎
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ドライアイで傷つき感染しやすい状態になった角膜に細菌が入って炎症を起こす眼病です。
強い痛みや大量の涙が現れて、角膜が濁ることもあるので視力が低下する可能性が高くなります。
放置して治療が遅れると角膜に障害が残り視力も回復せず、失明に繋がる危険性もあるのです。

放置することでドライアイ以外の様々な病気にもなりやすいのですね
失明の直接的な理由が角膜潰瘍や感染症だったとしても、元をたどるとドライアイの放置が原因だったという事態になりかねません。
とりあえず目薬を差しておけば大丈夫?
目の乾燥を防ぐために「とりあえず市販の目薬を差しておけば潤うだろう」と安易に考えないでください。
その場しのぎであって、差した直後は目が潤ったと感じるかもしれませんが一時的なものです。

水分を与えたらOKという単純なものではありません
むしろ目薬と一緒に涙も流れてしまうので余計に乾燥してしまいます。差す回数が増えれば増えるほど涙の膜が無くなってしまうのです。
涙の膜の一つである「ムチン」が含まれる目薬でないと効果が無いのですが、それは市販されておらず、眼科でしか処方されていません。